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遺品整理の費用相場|間取り別の料金表と、追加請求を避ける見積もりの見方

K

kaigo-shukatsu.com 編集部

  • 公開日2026.10.26

読了18分

本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

遺品整理の費用相場|間取り別の料金表と、追加請求を避ける見積もりの見方

目次

  • 遺品整理の料金表:事業者5社が公開している間取り別の費用
    • 表の読み方:「〜円から」は入口の金額
    • 含まれる作業と、別料金になるもの
    • 戸建て・3LDK以上は?
  • 「相場」の数字は出所で食い違う
  • 公的資料で分かる実態:国民生活センターの相談
    • 民間調査:追加請求を経験した人は47.2%
  • 見積もりで確かめる点:追加請求を避ける
    • 複数の見積もりを比べる
  • 費用は誰が払うか・相続放棄との関係
  • 費用を抑える方法のうち、出所が確認できるもの
  • 関連記事
  • よくある質問
    • 遺品整理の費用の平均はいくらか
    • 遺品整理の費用は、誰が払うのか
    • 一軒家の遺品整理の費用は、いくらか
    • 見積もりより高い請求をされたら、どうするか
    • 遺品整理の費用は、相続税の計算で引けるか
    • 遺品整理士の資格があれば安心か
  • まとめ
  • 参考にした資料

親が亡くなったあと、実家の中身をどうするか。遺品整理を業者に頼むと、いくらかかるのか。検索すると金額の目安はいくつも出てくるが、数字はページごとに違い、何を根拠にした金額なのかが分かりにくい。

遺品整理の費用は、事業者が間取りごとに「〜円から」の形で公開していることが多い。一方で、国や自治体などの公的機関が遺品整理の相場をまとめた資料は、今回確認した範囲では見つからなかった。そこでこの記事は、数字の出所を3つに絞った。事業者5社が公開している料金表、国民生活センターが公表している相談事例、調査した主体と人数が分かる民間調査だ。

費用は間取りごとの「〜円から」で示され、実際の金額は現場を見たうえでの見積書で決まる。この記事の数字は2026年10月24日に確かめたもので、料金は変わる。税や法律の個別の判断は、ここではしない。なお、この記事には広告(PR)を含む。

頼む前に家族で決めること、業者の許可の確かめ方、訪問購入のクーリング・オフ、粗大ごみの出し方は、実家の片付けを業者に頼む前の記事に書いた。この記事は金額と見積もりの見方に絞る。

遺品整理の料金表:事業者5社が公開している間取り別の費用

次の表は、事業者5社が自社サイトで公開している間取り別の料金だ。単位は円で、各社のページにある「〜円」の下限の表記を、そのまま写した。

この表は、特定の事業者の推薦でも順位づけでもない。並び順は、取得した順で、料金の高低や評価とは関係がない。事業者に掲載の了承は取っておらず、名前を出す根拠は各社の公開ページの料金表だけだ。

間取りワンステップサービス(税込)不用品回収相談所(税込)遺品整理タクセル東京(税込)遺品整理プログレス(税込)ライフスタイル(税の表記なし)
1K(1R)38,000〜41,800円42,900円15,000円15,000円35,000円
1DK58,000〜63,800円50,050円45,000円記載なし60,000円
1LDK78,000〜85,800円77,000円60,000円30,000円80,000円
2DK118,000〜129,800円114,400円90,000円記載なし120,000円
2LDK148,000〜162,800円134,200円110,000円60,000円140,000円
3DK168,000〜184,800円141,900円130,000円記載なし160,000円
3LDK188,000〜206,800円184,800円140,000円105,000円180,000円
4DK218,000〜239,800円235,400円記載なし記載なし200,000円
4LDK248,000〜272,800円244,000円(4LDK以上)160,000円165,000円220,000円

確認日は2026年10月24日。出典は各社の料金ページで、URLは次のとおりだ。

  • ワンステップサービス(株式会社ワンステップサービス):https://www.onestep-service.com/?page_id=208
  • 不用品回収相談所(環境デジタルソリューション株式会社):https://fuyouhin-soudansho.com/price/relics/
  • 遺品整理タクセル東京(株式会社タクセル):https://ihinseiri-taxel-tokyo.com/price/
  • 遺品整理プログレス(運営法人名はページで確認できなかった):https://www.ihinseiri-progress.com/price/
  • 遺品整理・生前整理のライフスタイル(株式会社ASK):https://ihin-lifestyle.net/price/

表を使う前に、3点を押さえてほしい。第一に、表の金額は「〜円から」という入口の金額で、その金額で終わるとは限らない。第二に、料金は変わる。申込の前に、必ず原ページと見積書で確かめてほしい。第三に、ライフスタイルのページは、確認した範囲では税込か税抜かの表記が見当たらなかった。ほかの4社は税込と書いている。ライフスタイルの数字を、ほかの4社と同じ条件で並べてよいかは分からない。

また、プログレスは1DK・2DK・3DK・4DKの記載がなく、タクセル東京は4DKの記載がない。ワンステップサービスだけは、各間取りを金額の範囲で示している。空欄は「その事業者が安い、高い」という意味ではなく、ページに載っていないというだけのことだ。

表の読み方:「〜円から」は入口の金額

表を見ると、同じ1Kでも、15,000円から42,900円まで開きがある。3LDKでも、105,000円から206,800円までの差がある。どの事業者が正しい、というものではない。

開きの理由として、ページの記載から確認できたのは、次の3つだ。

  1. 料金に含まれる作業の範囲が違う。 仕分けと搬出だけの社もあれば、処分費用や簡易清掃まで含むと書く社もある(次の表2)。
  2. 処分費用や家電のリサイクル料が、料金の内か外かが違う。 別料金と書く社が複数ある。
  3. 税の表記が違う。 税込と書く社が4社、表記が見つからない社が1社ある。

ほかに、現場の荷物の量、建物の階数、搬出の距離などでも金額は変わるはずだが、これらが各社の金額にどう反映されるかは、今回確認していない。表からは、その金額が自分の実家の見積もりに近いかどうかは判断できない。

事業者のページには、金額を「目安」とし、現場を確認したあとの見積書で確定する、と書く社がある。ワンステップサービス、タクセル東京、プログレスのページにその記載がある。表の数字は、見積もりを依頼する前に金額の感覚をつかむためのもので、請求額を予想するものではない。

含まれる作業と、別料金になるもの

各社のページに書かれている「含まれる作業」と「別料金」を、そのまま整理したのが次の表だ。

事業者含まれる作業(ページの記載)別料金(ページの記載)
ワンステップサービス必要品と不要品の分別、貴重品の捜索、梱包、搬出、簡易清掃、近隣へのあいさつ不要品の処分料、家電5品目のリサイクル料。金額は「目安」で、見積書で確定
不用品回収相談所分別、搬出、収集運搬、処分費用家電6品目のリサイクル料。上層階からの積み降ろし、解体が必要な場合
遺品整理タクセル東京出張費、仕分け、貴重品の捜索、遺品の買取、養生、搬出、簡易清掃、不用品の処分配送費など。金額は「目安」で、現地確認後の見積書で確定
遺品整理プログレス貴重品・処分品の仕分け、処分品の処理、合同供養(段ボール2個まで)、権利書・貴重品の探索、養生、搬出後の清掃特殊清掃、供養の追加分など。現場確認後に見積書
ライフスタイル遺品の仕分け・探索、梱包、基本清掃、運送費、交通費など。ページは作業内容を並べていて、どれが基本料金に入るかの区別は読み取れなかった特殊清掃などは別。処分が必要なものは提携業者への委託で、別見積もり

この表から言えるのは、「処分費用」の扱いが社によって違うことだ。不用品回収相談所とタクセル東京は、処分に関する作業を含む内容として書いている。ワンステップサービスは、不要品の処分料を別料金としている。ライフスタイルは、処分が必要なものを提携業者に委託し、別に見積もるとしている。

つまり、同じ「〜円」でも、処分費用を含んだ金額と、含まない金額が並んでいる可能性がある。ここは、表の数字だけでは判断できない。見積もりを取るときは、「処分費は、この金額に入っていますか」と聞くのがよい。家電のリサイクル料も同じで、5品目、6品目と社によって書き方が違うため、自分の家にある家電が別料金の対象かを確かめておく。

特殊清掃やいわゆるごみ屋敷の片付けは、状況で金額が大きく変わる。5社のページでも別途見積もりとされていて、この記事の範囲から外した。該当する場合は、現場を見たうえでの見積書でしか金額が分からない。

戸建て・3LDK以上は?

「遺品整理 費用 一軒家」で調べる人も多い。ただ、5社の料金表は4LDKまでで、戸建て専用の料金は、確認した範囲のどのページにも載っていなかった。

戸建てについての数字が出てくるのは、日本郵便の「郵便局の終活日和」に掲載されている事業者の寄稿だ。執筆はキーパーズ有限会社で、戸建て3LDK以上を50〜100万円以上としている。これは事業者の見解で、調査の結果ではない。日本郵便が相場として保証した数字でもない。掲載日は確認できなかった。

戸建ては、部屋数のほかに、物置、庭、車庫に置かれた物も作業の対象になりうる。ただ、それが金額にどう影響するかを示す出所は、今回見つからなかった。戸建ての遺品整理は、表から金額を推し量るのではなく、現地での見積書で確かめるしかない。

「相場」の数字は出所で食い違う

「遺品整理の相場」として出回る数字は、出所によってかなり違う。次の表は、確認できた2つの民間の数字と、先ほどの料金表の下限額(5社のうち最も低い額から最も高い額まで)を、同じ間取りで並べたものだ。

間取り民間の集計(みんなの遺品整理)事業者の寄稿(日本郵便サイト掲載)5社の公開料金表(下限額)
1R・1K3〜8万円10〜15万円15,000〜42,900円
2DK9〜25万円30〜50万円(1LDK/2DK・3Kの区分)90,000〜129,800円
3LDK17〜50万円50〜100万円以上(2LDK・3DK・3LDK以上の区分)105,000〜206,800円

出典は次のとおりだ。

  • みんなの遺品整理(LIFULL senior)「遺品整理の費用相場」:https://m-ihinseiri.jp/article-1/ihinseiri/cost/。同ページは「掲載800社以上のHPと3万人以上の利用金額データから算出(2024年2月12日時点)」と書いている。算出方法の詳細は確認できていない。税の表記は見当たらなかった。比較サイトの運営会社が出した集計だ
  • 日本郵便「遺品整理の費用相場はいくら?」(執筆:キーパーズ有限会社):https://www.post.japanpost.jp/life/inheriting/column7/。家電リサイクル(3〜7点)を金額に含むと書いている。事業者の見解で、調査ではない

3列は、1つの間取りでも数倍の差がある。たとえば1R・1Kなら、事業者の寄稿は10〜15万円、民間の集計は3〜8万円、5社の公開料金表の下限額は15,000〜42,900円だ。なお、寄稿の区分は間取りのまとめ方が違うので、2DK・3LDKの行は、区分が近いものを並べたにすぎない。

差の理由は、条件が違うためと考えられるが、それぞれの集計や寄稿が何を含めて計算したかは、公開されている範囲では分からない。寄稿が家電リサイクルを含むと書いている点は確認できたものの、他の2つについては同じ確認ができなかった。そのため、「この数字が正しい」「この数字は高い」とは書かない。

ここから言えるのは、1つの数字を「相場」として信じ込まないほうがよい、ということだ。どの数字も、集計の条件や含まれる作業が分からないまま、実家の見積もりに当てはめることはできない。複数の見積書を同じ条件で取って、金額と内訳を比べるのが、確かな方法になる。

公的資料で分かる実態:国民生活センターの相談

公的機関が遺品整理の相場を示した資料は見つからなかったが、国民生活センターは、遺品整理サービスの契約トラブルについて、相談の分析を公表している。金額に関わる部分を整理する。

出所内容
国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)遺品整理サービスの相談件数は、2013年度73件、2014年度109件、2015年度90件、2016年度114件、2017年度105件
同上(PIO-NET 522件の分析。2013年4月1日〜2018年6月30日受付)契約金額の平均は約42万円。実際に支払った金額(既支払額)の平均は約30万円。支払い手段は、現金などの即時払いが9割以上
同上(事例)37万円の契約を解約したら17万円のキャンセル料を請求された。見積もり141,000円が、請求32万円になった
国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(2025年10月30日公表)当初「20万円ぐらい」と聞いたが、作業後に30万円と言われた(60歳代)。見積書はもらっていなかった

出典:報告書の公表ページ、報告書PDF、見守り新鮮情報 第525号。

この数字を読むときの注意が3つある。

第一に、これは相談に寄せられた事例の数字で、遺品整理の一般的な費用ではない。 契約金額の平均約42万円は、522件の分析のうち金額が分かったものの平均だ。相談は、問題が起きた人が申し出るものだから、遺品整理を頼んだ全員の平均ではない。金額が分かった件数は、資料に書かれていないので、この記事でも書けない。

第二に、資料の公表は2018年と2025年で、約7年の開きがある。 2018年の資料の件数や平均を、今の費用に当てはめることはしない。2025年10月の情報は、1つの事例と助言だけで、件数などの集計はない。

第三に、見積書のないまま始まった作業で、額が変わった事例がある。 見守り新鮮情報の事例では、見積書をもらっていなかった。報告書の事例にも、見積もりと請求の金額に大きな開きがあるものがある。「相場より安いか高いか」より、「見積書に何が書かれているか」のほうが、あとで効いてくる。

国民生活センターが同じ資料などで示している助言は、複数の事業者から見積もりを取ること、作業日、作業内容、料金、支払方法、解約料を確かめること、追加料金の有無を事前に確認すること、作業に立ち会うことだ。この助言を、次の節で見積書の確認点に落とした。

民間調査:追加請求を経験した人は47.2%

民間の調査にも、追加請求についての数字がある。LIFULL senior(「みんなの遺品整理」の運営)が実施した「遺品整理・生前整理の利用実態調査」で、2023年6月29日〜7月5日にインターネットで行われた。対象は、直近5年以内に作業業者へ依頼した全国の20〜70代の男女500人だ。

結果は次のとおりだ。

  • 見積額より追加で請求された経験がある人は47.2%
  • 追加請求が20万円を超えた人は5.4%
  • 何らかのトラブルを経験した人は36.2%

調査したのは、遺品整理の比較サイトを運営する会社だ。結果が自社の事業と近い立場から出ている点は、頭に置いて読んでほしい。また、私たちが確認できたのは神戸新聞のPR記事(https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202308/0016696381.shtml)で、調査主体の元のプレスリリースは確認できていない。47.2%は、見積もりと請求が食い違う経験が、少なくない割合であることを示す数字と読めるが、調査対象は500人で、全国の傾向と断定はできない。

見積もりで確かめる点:追加請求を避ける

見積もりを書面で受け取るときは、金額だけを見ない。同じ金額でも、含まれる作業が違えば別のものだからだ。一般廃棄物の許可、古物商の許可、訪問購入の扱いは、実家の片付けの記事の「業者に頼むときに確かめること」に書いた。ここでは、金額の内訳に絞る。

見積書で見る点確かめること
作業人数と作業時間何人で、どのくらいの時間を見込んでいるか。当日に延びた場合の扱い
運搬費と処分費運ぶ費用と捨てる費用が、金額に入っているか、別になっているか
家電リサイクル料家電5品目・6品目など、対象の数え方。家にある家電が別料金になるか
階層と搬出の距離上層階からの積み降ろしや、車から玄関までの距離で、金額が変わるか
買取の差し引き買い取る物があるとき、その金額が作業費から引かれるのか、別に支払われるのか
キャンセル料日程の変更や解約で、いつから、いくらかかるか

前の節の表2で見たように、事業者によって「含まれる作業」の範囲は違う。見積書の合計だけを比べず、行ごとに、何がその金額に入っているのかを比べる。2社の見積書の合計が近くても、片方は処分費が含まれ、片方は別になっていれば、最終的な請求は違ってくる。

見積書は、同じ条件で依頼しないと比べにくい。次の点をそろえておくとよい。

  • 作業してほしい範囲(どの部屋のどこまで)
  • 処分しない物(貴重品、書類、思い出の品は先に分けて、触らない物として伝える)
  • 作業を希望する日程と、立ち会える人
  • 家電や大型の家具の有無

訪問見積もりには、家族の誰かが立ち会う。その場で契約を決めず、「家族と相談してから返事をする」と伝えて、見積書を持ち帰ればよい。契約を急がせる事業者は、候補から外して差し支えない。

複数の見積もりを比べる

見積もりを複数取るのは、国民生活センターが助言している方法だ。ただ、自分で何社も探して連絡するのは手間がかかる。次の2つは、見積もりの相談や比較に使えるサービスで、条件が違う。どちらを使うときも、紹介された業者について、許可と見積書を自分で確かめる前提で使ってほしい。

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家一軒の遺品を、仕分けから相談したいとき

遺品整理110番は、遺品整理・生前整理の見積もりを相談する窓口だ。申込を受けて、対応する業者に引き継がれる。作業をするのは、紹介された業者になる。

不用品回収だけの依頼は、このサービスの対象外だ。不用品の片付けだけをしたい人には向かない。家一軒の遺品を、貴重品や書類の仕分けから頼みたい場合に検討できる。紹介された業者にも、家庭ごみを運べる許可と、見積書の内容を確かめてから契約する。

遺品整理・生前整理の見積もりを相談する
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不用品の量が多いが、家一軒の整理ではないとき

ぽいみつは、不用品回収の費用を、業者の見積もりで比べるためのサービスだ。家の中の不用品を引き取ってもらう量が多い、という場面に合う。仕分けや貴重品の捜索まで任せる遺品整理とは、目的が違う。

申し込んだあとで、業者から電話が来る。連絡を受けたら、その業者が家庭ごみを運べる許可を持っているか、見積書にどこまでの作業と費用が書かれているかを、契約の前に確かめる。

不用品回収の費用を見積もりで比べる

費用は誰が払うか・相続放棄との関係

「遺品整理の費用は誰が払うのか」と気になる人は多い。遺品整理の費用の負担を直接決めた規定は、今回確認した範囲では見つからなかった。相続人が複数いるなら、家族で話し合って決めることになる。話し合う項目は、実家の片付けの記事の「家族で決める項目を書き出す」に整理してある。費用の負担のほか、誰が連絡役になるか、引き取る物をどうするか、期限をいつにするかを、作業の前に決めておくと揉めにくい。

ここで、相続放棄を考えているかどうかが、大きな分かれ目になる。

民法第915条第1項は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純承認、限定承認、放棄のいずれかをしなければならない、と定めている。そして民法第921条第1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなす、と定めている(保存行為などの例外は条文にある)。

つまり、相続放棄を考えているときに遺品を処分すると、単純承認をしたとみなされるおそれがある。どの行為がここでいう処分にあたるのかは、この記事では判断しない。

相続放棄を考えているときは、片付ける前に

相続放棄を考えているなら、遺品の片付けや処分を始める前に、家庭裁判所の案内を見るか、弁護士・司法書士などの専門家に確かめてほしい。裁判所の「相続の放棄の申述」のページには、相続の開始を知った時から3か月以内に申述すること、期間の伸長の申立てがあることが書かれている。

この記事では、「この場合は大丈夫」「この物は処分してよい」とは判断しない。個別の事情で結論が変わるため、実家の片付けを業者に頼む前に、確かめる順番を先にしてほしい。

出典:「民法」第915条・第921条(e-Gov法令検索)、裁判所「相続の放棄の申述」。

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費用を抑える方法のうち、出所が確認できるもの

「遺品整理の費用を安くしたい」という検索も多い。ただ、「何割安くなる」といった数字は、出所が確認できなかったので書かない。確認できたのは、次の2つだ。

自治体の粗大ごみに出せる分は、自分たちで出す。 粗大ごみの手数料や持ち込みの可否は、市区町村ごとに違う。例として世田谷区と福岡市を、実家の片付けの記事で表にした。実家のある市区町村の案内を確かめてから、業者に頼む量を決めるとよい。家電4品目は粗大ごみとは別の仕組みなので、同じ記事の説明を見てほしい。

買い取れる物があれば、その分を費用に充てられることがある。 タクセル東京の料金ページには、買取額を作業費用から差し引くこともできる、と書かれている。ワンステップサービスのページにも、遺品の買取を受け付けていて、買い取れる物があれば費用を抑えられる、という記載がある。どちらも、どの品がいくらで買い取られるかは査定しだいだ。ただし、中古品の買い取りには古物商の許可が要る。買い取りを依頼するときは、許可を確かめる。許可の確かめ方は、実家の片付けの記事に書いた。

実家の中に仏壇や位牌があり、墓の整理も考えているなら、先に墓じまいの費用と流れも見ておくとよい。家の中の物と墓は、費用の出方も、手続きの順序も別だ。

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よくある質問

遺品整理の費用の平均はいくらか

公的機関が示した平均は、今回確認した範囲では見つからなかった。事業者が公開している間取り別の料金は、上の表1にある。民間の集計や事業者の寄稿の数字は出所によって数倍違うので、表3を見てほしい。国民生活センターの相談事例の契約金額の平均は約42万円だが、これはトラブルとして相談された事例の平均で、一般的な費用ではない。

遺品整理の費用は、誰が払うのか

費用の負担を直接決めた規定は、今回確認した範囲では見つからなかった。相続人が複数いるなら、家族で話し合って決める。相続放棄を考えているときは、遺品を処分すると単純承認とみなされるおそれがあるので、片付ける前に、家庭裁判所の案内を見るか、専門家に確かめる。

一軒家の遺品整理の費用は、いくらか

事業者5社の料金表は、4LDKまでだ。戸建て専用の料金は、確認した範囲では載っていなかった。日本郵便のサイトに掲載された事業者の寄稿は、戸建て3LDK以上を50〜100万円以上としているが、事業者の見解だ。現地での見積書で確かめるのが確実だ。

見積もりより高い請求をされたら、どうするか

その場で払うかどうか迷うときは、消費者ホットライン188に電話する。最寄りの消費生活センターなどの相談窓口につながる。見積書や契約書、やり取りの記録は残しておく。契約や許可、訪問購入の注意は、実家の片付けの記事にまとめてある。

遺品整理の費用は、相続税の計算で引けるか

国税庁の一次情報を確認できていないため、この記事では書かない。税理士か税務署に確かめてほしい。

遺品整理士の資格があれば安心か

遺品整理士の資格を事業者選びの基準として挙げた公的な助言は、今回確認した範囲では見つからなかった。許可と見積書の内容で判断してほしい。詳しくは実家の片付けの記事の資格の節に書いた。

まとめ

  • 遺品整理の費用は、間取りごとの「〜円から」で公開されていることが多く、実際の金額は現場を見たうえでの見積書で決まる
  • 事業者5社の1Kの下限額は15,000円から42,900円まで開く。含まれる作業と、処分費・家電リサイクル料の扱いが違うためで、表の数字だけでは比べられない
  • 「相場」の数字は、民間の集計、事業者の寄稿、公開料金表で食い違う。1つの数字を信じず、同じ条件で複数の見積書を取って、内訳ごとに比べる
  • 国民生活センターの相談事例の金額は、トラブルとして相談されたものの数字で、一般的な費用ではない。追加請求の経験は、民間調査で47.2%(500人、2023年)
  • 相続放棄を考えているときは、遺品を処分する前に、家庭裁判所の案内を見るか、専門家に確かめる

次の一歩は、実家の間取りと、処分しない物(貴重品、書類、思い出の品)を書き出すことだ。その内容を同じ条件で複数の事業者に伝えれば、見積書を比べられる。

参考にした資料

確認日はすべて2026年10月24日。

  • 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)、報告書PDF
  • 国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(2025年10月30日公表)
  • 「民法」第915条・第921条(e-Gov法令検索)
  • 裁判所「相続の放棄の申述」
  • 事業者の公開料金表:ワンステップサービス、不用品回収相談所、遺品整理タクセル東京、遺品整理プログレス、ライフスタイル
  • みんなの遺品整理(LIFULL senior)「遺品整理の費用相場」、日本郵便「遺品整理の費用相場はいくら?」(執筆:キーパーズ有限会社)
  • 神戸新聞「遺品整理・生前整理の利用実態調査(LIFULL senior)」
  • 一般廃棄物の許可、訪問購入、粗大ごみに関する環境省・消費者庁・自治体の資料は、実家の片付けの記事の参考資料に載せている

Kaigo・Shukatsu Note

親の介護と自分の終活、迷ったときの判断軸を

  • ✓ 介護・終活の基礎を体験ベースで整理
  • ✓ 家族との対話・お金・制度をやさしく解説
  • ✓ 40〜60代の判断を支える読みもの
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K

この記事を書いた人介護・終活ノート編集部

親の介護と自分の終活、迷ったときの判断軸を整理する読みものを発信。厚生労働省や自治体の公式情報をもとに、40〜60代の家族向けに書いている。運営者について詳しく →

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