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葬祭費とは、亡くなった人が入っていた公的医療保険から、葬儀を行った人に支払われる給付だ。国民健康保険と後期高齢者医療では「葬祭費」、会社の健康保険では「埋葬料」「埋葬費」と呼ぶ。検索では「葬祭費給付金」と書かれることもあるが、補助金ではなく、保険の給付にあたる。
どの保険に入っていたかで窓口が分かれ、金額は自治体の条例で決まるため、同じ制度でも市区町村で違う。申請の期限は、法律の条文では2年だ。この記事は、制度の違い、金額の例、必要書類、振込時期の例を、法律と国・自治体の公式ページで確かめてまとめた。数字は2026年10月27日に確認したもので、変わることがある。親の場合の金額と書類は、亡くなった人の保険の窓口の公式ページで確かめてほしい。医療・税・法律の個別の判断は、ここではしない。なお、この記事には広告(PR)を含む。
亡くなった人がどの保険に入っていたかで、給付の名前も申請先も根拠の法律も違う。
| 亡くなった人の保険 | 給付の名前 | 支給する先・申請先 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 葬祭費 | 市町村(国保組合は組合)。亡くなった人が住んでいた市区町村の窓口 | 国民健康保険法第58条第1項 |
| 後期高齢者医療 | 葬祭費 | 後期高齢者医療広域連合。市区町村の窓口が受け付ける例がある(長崎市の案内) | 高齢者の医療の確保に関する法律第86条第1項 |
| 健康保険(協会けんぽ・健保組合) | 埋葬料(生計を維持されていた人)、埋葬費(埋葬を行った人)、家族埋葬料(被扶養者の死亡) | 協会けんぽは支部。健保組合は組合 | 健康保険法第100条・第113条 |
確認日は2026年10月27日。出典:国民健康保険法、健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律(いずれもe-Gov法令検索)、協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」、長崎市 後期高齢者医療制度のページ。
国保と後期高齢者医療の葬祭費は、条例(国保組合は規約)で定められる。そのため金額は自治体で違う。健保の埋葬料は、協会けんぽの案内では金額が決まっている(後述)。
申請先を決める最初の分岐は、亡くなった人の保険だ。親の保険証(資格確認書や資格情報のお知らせ)や、これまでの通知で確かめる。
長崎市の案内では、後期高齢者医療の対象は75歳以上の人で、65歳から74歳でも一定の障害がある人は加入できるとされている。条件は自治体の案内で確かめてほしい。75歳未満の人は、亡くなったときに国民健康保険に入っていたか、会社などの健康保険に入っていたかで分かれる。どちらだったかは、資格確認書などで確かめる。
出典:長崎市 後期高齢者医療の案内(令和7年度版PDF)(確認日2026年10月27日)。
広島市、横浜市、世田谷区、長崎市は公式ページに、会社を辞めて健康保険の資格を失ってから3か月以内に亡くなったときなどは、以前の健康保険から給付が出る場合があり、その場合は国保からは出ない、という趣旨を書いている。協会けんぽの案内でも、資格喪失後3か月以内の死亡は埋葬料・埋葬費の対象として挙げられている。法律では健康保険法第105条が、資格喪失後の死亡に関する規定だ。
退職して間もない親が亡くなったときは、国保の窓口に行く前に、以前の健康保険の加入先に確かめる。
出典:広島市「葬祭費」、横浜市「葬祭費の支給」(国保)、世田谷区「葬祭費の支給」(国保)、長崎市「葬祭費の支給」、協会けんぽ(確認日2026年10月27日)。
国保と後期高齢者医療は、亡くなった人が住んでいた市区町村の窓口に聞く。後期高齢者医療の保険者は広域連合だが、受付は市区町村が担当する自治体がある(長崎市の案内)。健保は、加入していた保険者に聞く。協会けんぽなら支部、健保組合なら組合だ。
国保の葬祭費は国民健康保険法第58条、後期高齢者医療の葬祭費は高齢者の医療の確保に関する法律第86条に基づき、条例などで定められる。同じ制度でも、市区町村で金額が違う。公式ページで金額を確かめられた自治体を並べる。
| 自治体 | 国民健康保険 | 後期高齢者医療 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 長崎市 | 2万円 | 2万円 | 国保、後期 |
| 広島市 | 3万円 | この記事では調べていない | 国保 |
| 横浜市 | 5万円 | 5万円 | 国保(最終更新2024年12月27日)、後期(最終更新2026年8月14日) |
| 堺市 | この記事では調べていない | 5万円 | 後期(更新日2026年4月1日) |
| 世田谷区 | 7万円 | 7万円(広域連合5万円+区2万円) | 国保(最終更新2026年10月10日)、後期(最終更新2026年10月9日) |
| 大田区 | この記事では調べていない | 7万円(一律) | 後期(更新日2025年12月5日) |
| 練馬区 | この記事では調べていない | 7万円(原則) | 後期(更新日2026年9月8日) |
確認日はいずれも2026年10月27日。金額は各ページの表記のとおりに写した。長崎市の後期高齢者医療の2万円は、市のページ(更新日2026年8月1日)と令和7年度版の案内PDFの記載だ。同じ制度でも、この表の範囲には2万円から7万円まで開きがある。表にない市区町村の金額は、この表からは分からない。親の住んでいた市区町村の公式ページで確かめてほしい。
世田谷区の公式ページは、後期高齢者医療の葬祭費7万円を、広域連合の5万円と区の2万円に分けて書いている。表の世田谷区の例だ。すべての自治体がこの形とは限らない。
大田区は、後期高齢者医療の葬祭費を「実際の葬儀費用に関わらず、一律70,000円」と書いている。領収書の金額に応じて変わる給付ではない自治体がある、という事実だ。ほかの自治体も同じとは、この記事では言えない。
出典:大田区「被保険者が亡くなったとき(葬祭費)」(確認日2026年10月27日)。
葬祭費は、葬儀を行ったあとに申請する給付だ。世田谷区の公式ページは、「葬祭を行いその費用を支払った方に、申請により支給」と書いている。つまり、葬儀の費用は先に払う必要がある。振込の時期は、後の節で見る。
葬儀の領収書は、申請で「葬儀を行った証明」として使う自治体が多い。宛名についての記載は、自治体ごとに次のように違う。
| 自治体 | 公式ページの記載 |
|---|---|
| 世田谷区 | 「あて名が申請者名であり、葬儀代金である旨と故人名の記載のあるもの」 |
| 大田区 | 宛名にお名前の記載がある方が申請できる |
| 練馬区 | 申請者の氏名(フルネーム)の記載があるもの |
| 広島市 | 宛名の指定は書かれていない。葬祭を行った人と葬祭の日が分かる書類として、埋火葬許可証、会葬御礼状、葬祭の領収書などを挙げている |
確認日は2026年10月27日。出典:世田谷区(国保)、世田谷区(後期)、大田区、練馬区、広島市。
すべての自治体が同じ扱いとは限らない。申請する人の氏名で領収書を受け取るべきかどうかは、亡くなった人の住んでいた市区町村の公式ページか窓口で、葬儀の前に確かめておくとよい。
葬祭費の額と、葬儀にかかる費用は、別のものだ。葬儀の費用はプランと人数、会場などで変わる。この記事では、葬祭費で足りるかどうかは判断しない。葬儀を依頼する事業者の見積書や資料で、内容と費用を書面で確かめるのが前提になる。葬祭費の額は、亡くなった人の保険の窓口の公式ページで別に確かめてほしい。
葬儀のプランと費用を、前もって資料で確かめたいとき
心に残る家族葬は、株式会社メルメクスが運営する葬儀のサービスだ。広告主の公式ページによると、葬儀プランの資料を無料で請求できる(2026年10月27日に公式ページで確認)。プランの金額と、何が含まれるかは、公式ページと見積書で確かめてほしい。
葬祭費は、葬儀のあとに申請するもので、支給額は亡くなった人の保険と自治体で違う。
公式ページの記載は、横浜市が「葬祭を行った人(喪主)」、広島市が「葬祭執行者」、世田谷区が「葬儀の費用を支払った方」と、自治体で違う。喪主と費用を払った人が別のときは、窓口に確かめる。
横浜市は、申請先を「亡くなられた方がお住まいだった区の区役所保険年金課」と明記している。申請する人の住所の区ではない。長崎市は、国保の葬祭費を中央地域センター(市役所1階)か最寄りの地域センターで受け付けている。
出典:横浜市(国保)、長崎市(確認日2026年10月27日)。
自治体で必要なものは違う。確認した公式ページに挙がっていたのは、主に次のものだ。
何を出すかの細部は、自治体ごとに違う。申請書は、広島市や世田谷区など多くの自治体が公式ページで配っている。亡くなった人の住んでいた市区町村のページで探してほしい。
出典:広島市、横浜市(国保)、横浜市(後期)、大田区(確認日2026年10月27日)。
世田谷区、大田区、練馬区は郵送で受け付ける旨を書いている。長崎市は、後期高齢者医療の葬祭費支給申請を郵送でできるとしている。堺市の電子申請は、申請書類を事前に作成するサービスで、窓口での確認と署名が必要と書かれている。窓口に行かずに手続きが完結するかどうかは、自治体ごとに違う。
出典:世田谷区、大田区、練馬区、長崎市 後期高齢者医療郵送手続き(更新日2026年8月1日)、堺市(確認日2026年10月27日)。
この記事は、申請書の書き方や、代理人による申請が有効かどうかの判断はしない。窓口で確かめてほしい。
3つの法律は、どれも保険給付の時効を2年と定めている。国民健康保険法第110条、健康保険法第193条、高齢者の医療の確保に関する法律第160条で、給付を受ける権利は、行使することができる時から2年を経過すると、時効で消滅する(後期高齢者医療は、後期高齢者医療給付を受ける権利)。
自治体は、起算日を次のように案内している。
健保の埋葬料・埋葬費については、条文は上のとおり2年だが、起算日が葬儀の日か死亡の日かは、協会けんぽのページでは確認できなかった。健保は、加入していた保険者に確かめてほしい。
出典:国民健康保険法、健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、広島市、横浜市(国保)、長崎市、世田谷区、大田区(確認日2026年10月27日)。
横浜市の公式ページは、葬祭を行った日の翌日から2年が経過すると時効となり、支給できなくなると書いている。期限を過ぎたあとの扱いは、この記事では判断しない。亡くなった人の保険の窓口に聞いてほしい。
出典:横浜市(後期)(確認日2026年10月27日)。
振込の時期は、公式ページに書いている自治体と、書いていない自治体がある。書かれている例を並べる。
| 自治体・制度 | 公式ページの記載 | 出典 |
|---|---|---|
| 世田谷区 国民健康保険 | 申請書類受理後、約1か月後 | 世田谷区 |
| 世田谷区 後期高齢者医療 | 申請書類受理後、約2,3か月後 | 世田谷区 |
| 大田区 後期高齢者医療 | 申請・請求書を受理してから約2か月後 | 大田区 |
| 練馬区 後期高齢者医療 | 申請から1〜2か月後 | 練馬区 |
確認日は2026年10月27日。広島市、横浜市、長崎市、堺市の公式ページには、2026年10月27日に読んだ範囲で、振込時期の記載を見つけられなかった。書いていない自治体は、窓口に聞くのがよい。表の期間を、全国の目安として読まないでほしい。
申請を受け付けてから経過した期間を確かめ、担当窓口に問い合わせる。理由を推測せず、受付日と書類の状況を聞く。練馬区は、保険料に未納がある場合は事前に納付相談をしてもらうことがあると、公式ページに書いている。ほかの自治体も同じかどうかは、この記事では分からない。
出典:練馬区(確認日2026年10月27日)。
協会けんぽの案内(2026年10月27日確認)は、業務外の事由で亡くなったとき、次のように支給するとしている。
| 場面 | 給付 | 金額 |
|---|---|---|
| 被保険者が亡くなり、その人に生計を維持されていた人が申請する | 埋葬料 | 50,000円 |
| 生計を維持されていた人がおらず、埋葬を行った人が申請する | 埋葬費 | 50,000円の範囲内で実費(霊柩車代、火葬料、僧侶の謝礼など) |
| 被扶養者が亡くなり、被保険者が申請する | 家族埋葬料 | 50,000円 |
資格喪失後3か月以内の死亡や、傷病手当金・出産手当金の継続給付中の死亡なども、対象として挙げられている。申請書は「健康保険埋葬料(費)支給申請書」で、協会けんぽの支部に出す。
出典:協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」(確認日2026年10月27日)。
健康保険組合に入っていた場合は、組合ごとに案内が違う。上の協会けんぽの内容を、組合にそのまま当てはめることはできない。額に上乗せがあるかどうかも含めて、加入していた組合に確かめてほしい。
国保・後期高齢者医療の「葬祭費」と、健保の「埋葬料」は、窓口も名前も金額の決め方も違う。冒頭の早見表に戻って、親がどれに当たるかを確かめるとよい。業務上や通勤中の事故による死亡の給付(労災)は別の制度で、協会けんぽのページも業務外の事由に限っている。労災の葬祭料は、この記事では扱わない。労働基準監督署や厚生労働省のページで確かめてほしい。
ここは判断が分かれやすい。この記事では、事実の紹介にとどめる。
要介護認定を受けていた人の、介護保険の手続きは別だ。介護保険の申請の記事は申請の側から書いたもので、亡くなったあとの届出は、市区町村の窓口の案内を見てほしい。
葬祭を行った人(喪主)や、葬儀の費用を支払った人だ。公式ページの記載は、横浜市が喪主、広島市が葬祭執行者、世田谷区が費用を支払った方と、自治体で違う。喪主と費用を払った人が別のときは、窓口に確かめる。
法律の条文では、保険給付の権利は、行使できる時から2年で時効になる。国保と後期高齢者医療では、広島市、横浜市、長崎市などが、葬祭を行った日の翌日から2年と案内している。健保の起算日は、加入先に確かめる。
補助金ではなく、保険の給付だ。国保は国民健康保険法第58条、後期高齢者医療は高齢者の医療の確保に関する法律第86条に基づく。公営墓地を返すときの助成など、墓じまいの制度とも別のものだ。墓じまいの費用と公営墓地の制度は、墓じまいの費用と流れの記事に書いた。
公式ページに書かれた例は、世田谷区が約2,3か月後、大田区が約2か月後、練馬区が1〜2か月後だ。書いていない自治体もある。親の住んでいた市区町村の窓口に聞く。
国保・後期高齢者医療の「葬祭費」ではなく、健保の埋葬料・埋葬費の対象になる場合がある。協会けんぽの案内では、金額は50,000円だ。会社を辞めて3か月以内の死亡などは、以前の健康保険から出る場合がある。健保組合は、加入先に確かめる。
この記事では判断しない。相続放棄の期限は民法第915条で、相続の開始を知った時から3か月だ。葬祭費を申請する前に、家庭裁判所の案内を見るか、弁護士・司法書士などの専門家に確かめる順番にしてほしい。遺品の処分との関係は、遺品整理の費用の記事に書いた。
横浜市は、葬祭を行った日の翌日から2年が経過すると時効となり、支給できなくなると書いている。そのあとの扱いは、この記事では判断しない。亡くなった人の保険の窓口に聞いてほしい。
次の一歩は、親の保険証(資格確認書)を確かめ、保険の窓口の公式ページで金額と必要書類を見ることだ。亡くなったあとの実家の片付けは、実家の片付けを業者に頼む前の記事にまとめてある。
確認日はすべて2026年10月27日。自治体の案内は変わることがあるので、申請の前に最新の公式ページを確かめてほしい。
